宮田織物社長 吉開の原点とものづくりへの想い

宮田織物社長 吉開の原点とものづくりへの想い

私の手元に一枚の写真があります。
たぶん50年位前に撮ったもの。
私と従妹姉妹と姉の四人が並んで、
すごく楽しそうに笑っている写真です。

お揃いのジャンパースカートは
伯母のお手製。一見すると同じ
デザインですが、よく見ると、
少しずつデザインが違います。

それぞれ、切り替えの位置が
上だったり下だったり、リボンが
あったり。もちろん丈やサイズも。

伯母は、私たち一人ひとりの顔を
思い浮かべながら、ちょっとずつ
わざわざ違わせて、そしてその手間も
楽しんで作ってくれたのでしょう。

伯母は、服だけでなく下着まで、
手作りしてくれました。私は、
伯母の作ってくれる服が大好きでした。

宮田織物は、久留米絣の機やと
して始まり、綿入れ袢天を作り、
今は、オリジナル素材和木綿で
婦人服も作っていますが、

私の服の原点は、伯母の服です。

「ほら、できたよ」といって
手渡される嬉しさ。姉や従妹と
お揃いの嬉しさ。「あら、よかね」
と皆からほめてもらえる嬉しさ。

伯母の服にはいろんな嬉しさが
ぎゅっと詰まっていて、
私は着ると自然に笑顔になるのです。

宮田織物には婦人服ブランドとして
「彩藍(さいあい)」と「らしか」と
「ことん」がありますが、

私が伯母の服で自然に笑顔に
なるように、お客様にも笑顔に
なっていただけたらなあ、
と、そんなことをいつも思っています。

私は会社でデザインはしませんし、
織りや縫うこともできません。

けれども、いっしょに働くみんなが、

「お客様にも笑顔に
なっていただけたらなあ」

と、思ってくれていることを
いつも感じています。
嬉しいことです。

宮田織物は小さな会社ですが、
笑顔が広がる会社でありたいと思います。

はおり羽織ハオリ